君は今日も笑ってる
あの人たちは
平気そうに笑う
何もなかったみたいに
平気そうに笑う
だけど
たしかに
あたたかな風が
通り過ぎた後
わずかな哀しみの色を
それぞれの瞳に宿しながら
あんな微笑みの理由を
僕らは知っている
知っていて
気づかぬふうに
微笑みかえす
なんという
冷たい風を
僕らは吹かせているのだろう
なんという
哀しみの風を
僕らは見過ごしているのだろう
あの人たちは
どうして
あんなふうに平気な顔して
笑わなければいけないのか
僕たちはいつまで
こちら側に立って
微笑んでいるのか